「もう飼わない」の理由が年齢なら、譲渡や預かりの条件が考える材料になります。理由が別れのつらさなら、読むのは最初の見出しまでで、その先は個々人のペースです。親が「もう飼わない」と言っていて、子どもとして何か言いたくなっている人には、4つ目の見出しがあります。

誰かに話したくなったときの電話は、最後の見出しに番号と受付時間をまとめました。夜中でも受け付けている窓口の一つが、よりそいホットライン(0120-279-338・無料)です。

「もう飼わない」の理由は、だいたい4つの型に分かれる

知恵袋で「もう飼わない」と書いた相談を読むと、理由はおおよそ4つに分かれました。

ひとつは年齢です。 自分が先に倒れたら、最後まで世話ができるか、という心配。2026年3月24日に投稿された50代の人の相談は、17歳の犬を見送ったあとの気持ちをこう書いています。

自分の年齢を考えて、この子が最後と思っていました

同じ相談には「ほんの少しですが、新しい子を迎え入れたい気が湧いてきてしまっています」とも書かれていました。この人はお礼のコメントで「20年後の自分の健康状態が分かればいいのにと思いますが、それは叶わないので、やはり迎え入れないつもりです。」と結んでいます。

二つ目は、別れのつらさ。もう一度あの別れを経験したくない、という気持ちです。2025年6月の「飼える人と飼えない人の違い」を尋ねた相談への回答です。

飼う 新しい犬との出会いも受け入れてペットロスから立ち直る人。 飼わない 他界した犬の想い出だけを大切にしてペットロスから立ち直る人。 どちらも立ち直れるなら結果オーライ。

三つ目は、亡くした子への気持ち。2007年の相談には「1年前、誓いました!もう2度と犬は飼わない・・・と その亡くなった愛犬への感謝の気持ちとして・・・」とあります。2015年の相談では、娘が「じゃあ同じ犬種の犬を飼ったらどう?」と聞いたとき、母親が「他の犬を飼ったら〇〇ちゃんが悲しむから...」と答えたそうです。

四つ目は、家族の考えが揃わないこと。子が親に勧める相談もあれば、2024年6月の相談のように、迎えたい母親に子が反対するものもありました。濱野さんのコラムにも、同じ場面があります。

また、ある家族は次のペットを迎えたいと希望しているが、別の家族はもう二度と飼いたくないと思っている、このように次のペットを迎えることに対する意見の食い違いがある場合もあるのです。

濱野さんのコラムは、この悲しみの置かれ方と、残された物の扱いにも触れています。

ペットロスは、公に認められにくい悲しみの一つといわれています。

ペットのことを忘れなくてもいいですし、ペットに関連する物をむりやり片付けなくてもいいのです。

別れのつらさや亡くした子への気持ちが理由なら、読むのはここまでです。気持ちが動くのも、動かないままなのも、濱野さんの言葉を借りれば個々人のペースです。ここから先は、年齢で迷っている人と、迎えたい気持ちが少し湧いた人のための話です。

迎えたい気持ちが少し湧いたら、年齢より先に「もしものときの預け先」を考える

保護犬や保護猫の譲渡の窓口は、年齢の数字と並べて、飼えなくなったときに代わりに世話をする人がいるかを見ています。

先ほどの2026年3月の相談には、60代の人の回答(2026年3月25日)が付いていました。

60代です。私も愛犬を亡くし、悲しいから二度と飼わない。と思ったのですが、ペットショップやホームセンターなどで犬を見る度にやっぱり欲しくなってしまいました。

散歩を考えて小さい犬を選んだと続け、こう書いています。

私がもしもの時は、幸い娘夫婦が近くにいて動物が好きなのでお願いしようと思います。

窓口が見ているのも、この預け先です。

子犬や子猫なら、10〜15年後の自分を想像する

年数の目安は国と自治体の資料にありますが、資料ごとに数字の意味が違います。

環境省の冊子は、10〜15年後の文に「そのときの自身の状況を想像して、準備をしておくことが大切です。」と続けています。年数を足すより、そのころ誰がそばにいそうかを想像する、という言い方です。

環境省の「共に生きる」は、成犬や成猫から迎える道にも触れています。

保護施設からの譲渡には年齢制限等の条件もありますが、あなたに合う犬や猫の紹介や、トライアル期間(試しに飼ってみる期間)、飼い方のアドバイス等も行っていますので、選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。

自治体の譲渡条件は、3つの型に分かれる

動物愛護センターの譲渡のページでは、年齢の扱いがおおよそ3つの型に分かれていました(2026年10月18日閲覧)。

型書き方の例
年齢の上限を書く東京都動物愛護相談センターのページ「都内にお住まいの20歳以上60歳以下の方」
65歳前後から、代わりに飼う人を求める群馬県(2026年1月15日)「原則20歳以上65歳以下の方です。66歳以上の方は、ご本人が譲渡を受けた動物を飼養できなくなった時に、譲渡動物を引き続き飼養することを約束した20歳以上60歳以下の後見人の方が必要です。」
年齢に関係なく、代わりに飼う人を求める横浜市(2026年2月4日)「万一継続して飼育できなくなった場合に備えて、代わって飼育することのできる親族、知人等を選定し、その者が飼育可能である旨の誓約書(様式任意)を提出できること。」/名古屋市の猫(2026年9月10日)「万が一、何らかの事情で猫を飼えなくなったときに代わりに世話をする人をあらかじめ決めること。」注に「成人、かつ、生計を一にしない人に限ります。」

ここでの「後見人」は、この窓口が代わりに飼う人を指して使っている言葉で、法律の後見とは別です。

多く見かけたのは真ん中の型で、代わりの人の年齢にも「60歳以下」「64歳以下」「65歳以下」などと上限を書く自治体があります。

条件は自治体ごとに違い、見直されることもあるので、お住まいの地域の動物愛護センターに、そのときの条件を確認してください。

シニアの犬や猫を、65歳を超えた人に譲る窓口もある

行き先の作り方は、窓口ごとに違います。神奈川県は65歳を超えた人に、迎える子をおおむね10歳以上の小型犬と猫に限って窓口を開き、預け先の人を65歳以下としています。新潟市は10歳以上の猫に限って75歳までの人に譲り、調査票の後見人は70歳以下です。堺市は、10歳以上の犬猫なら申立書が要る年齢を75歳に上げました。

名古屋のNPO法人DOG DUCAの「シニアドッグ・サポーター」制度は、具体的な年齢制限を設けていないと書き、万が一のときは団体が引き取る形です。そのため対象は名古屋市近郊の人に限られています。

どの窓口も、譲るかどうかは個別に判断する前提です。神奈川県は面接で状況を聞き、新潟市は「飼い主になる方の年齢や家族構成、飼育環境などをお聞きし、その猫を終生にわたり適正に飼育できると判断された場合に譲渡となります。」と書いています。

迎えたいと思ったとき自分で確かめておけることは、神奈川県のページが「譲り受ける前にご確認いただきたいこと」として挙げる項目のうち、年齢・費用・健康・代わりの人の4つです。

答えに詰まる項目があるなら、次の見出しの、期間を区切った関わり方が材料のひとつです。

飼わずに動物と関わる形は、期間で選べる

環境省の冊子は、「飼わない」の一文のすぐ後にこう続けていました。

自治体や動物保護団体などが行っている取り組みを支援したり、ボランティアとして参加することで、動物と関わることもできるのではないでしょうか。

期間が短いのは、子猫の一時預かりです。豊田市動物愛護センター(2025年11月6日のページ)は、生後1週齢〜4週齢くらいの子猫をおおむね8週齢に達するまで預かる仕組みで、ミルクなどの物品は支給されます。ただし生後3週齢くらいまでは2〜3時間おきの授乳が要り、市内在住や講習会の受講などの要件もあります。東京の江東ねこの会のミルクボランティアも、預かる期間の目安は「平均1ヶ月間(2週~6週間)」。短い代わりに、手はかかる。

飼い主が見つかるまでの預かりは、期間が猫しだいです。江東ねこの会は、預かり期間を「飼い主が見つかるまでの期間」とし、目安は「数週間~半年(猫によっては1年以上かかります)」。医療費は会が負担、フードやトイレ砂などの消耗品は預かる人が用意する形です。会のページは、猫を飼うのをあきらめている理由の例として「高齢」を挙げ、数か月程度の期間を区切った形ならという人にも向いている、と書いています。

終わりを決めない預かりが、前の見出しのツキネコ北海道の「永年預かり制度」です。

江東ねこの会には、譲渡が難しい高齢の猫を預かる「看取りボランティア」もあります。期間の目安は「里親申込がない限り最期まで」、条件のひとつは「最期を看取る覚悟、家族の理解」です。もう一度見送ることが前提の役目なので、見送ったばかりの時期に選ぶかどうかは、時間を置いてからの話です。

もっと身近な形は、2017年の知恵袋の相談についた回答にありました。

うちの犬と散歩していると、御高齢の方が良く可愛がってくださいます。前はうちも飼ってたのよーなどと仰いながら、触れていかれますが、しばらくはそういう美味しいとこどりだけでも良いのでは?

預かりやボランティアにも、団体ごとに年齢や住まいの条件が付くことがあります。申し込む前に募集のページで確かめてください。

家族が「また飼えば」と言いたくなったら

親が「もう飼わない」と言っているのに、新しい犬や猫を勧めたくなるのは、たいてい親のことを心配しているからです。

2017年3月の知恵袋に、50代の母親について子が相談した投稿があります。

母はもう動物は飼わない、といいきっています。

母は愛犬が好きだった場所で泣いていることがある、と続き、「父は還暦を迎えますし、今犬を飼うことは癒しにも支えにもなるのではないでしょうか?」と書かれていました。ついた7件の回答の多くは、待つか本人に任せるかの側で、ベストアンサーは「これは時が来るまで待つしかない。」でした。

2015年10月の「母のペットロスに困っています。」という相談でも、ベストアンサーは同じ向きです。娘のいる母親の立場から、こう書かれていました。

犬をプレゼント…

その提案はやめておいて下さい。

ご両親の気持ちが合致していないのに新しい犬を迎えるのは良くないし、大切な命を迎えるのであれば それはご両親が決める事だと思うからです。

代わりに挙げられていたのは、思い出話でした。「ペットロスと呼ばれる期間は、いっぱい泣いたり 思い出話をしたりして、感情を押し殺さない事や 共感できる相手がいる事も大切だったりします。」 亡くなった子の話をこちらから振って、聞く側に回る、ということです。

濱野さんの「個々人のペースでいいのです」は、家族のあいだでもそのまま当てはまります。親のペースと子のペースは違っていい。

一方で、親のほうから「また飼いたい」と言い出すこともあります。そのとき子どもが手伝えることのひとつが、代わりに世話をする人になれるかを考えることです。神奈川県のお迎え例でも、預け先予定者は40代の子や従弟妹でした。

気持ちを話せる先と、電話の相談窓口

悲しみは吐き出していい、と環境省の「共に生きる」も書いています。

愛するペットを失ったことを悲しむのは決して特別なことではありません。悲しい気持ちを友人などにきいてもらったり、お別れのセレモニーを行うなど、悲しみを十分に吐き出すようにしましょう。

心や体の調子がすぐれない日が続くとき、誰かに電話で話したいときは、次の窓口があります(2026年10月18日に厚生労働省「まもろうよ こころ」のページで確認)。

窓口電話番号受付
よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)0120-279-338(無料)。福島県からは0120-279-226、050で始まるIP電話からは050-3655-027924時間対応
こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556(通話料がかかります)曜日・時間は都道府県によって異なります。かけた場所の都道府県・政令指定都市の公的な相談窓口につながります

もう飼わないと決めるのも、決めずに置いておくのも、いつか気持ちが変わるのも、本人のものです。2026年3月の相談に答えた先ほどの60代の人は、回答をこう結んでいました。「長くなりましたが、飼う、飼わないは、やっぱり貴方次第だと思います。」

見送りの日の服装や持ち物についてはペット火葬の服装は普段着でよいかに、遺骨を手元に置く形についてはペット遺骨アクセサリーはよくないかにまとめています。ほかの見送りの話はペットの見送りから。