「よくない」と言われる理由は4つあり、中身が違う

「よくない」と言われる理由をたどると、法律の話は1つだけで、残りは考え方の話でした。

ペット遺骨アクセサリーとは、火葬したあとの遺骨の一部を、ペンダントやリングに納めて身につける供養のかたちです。手元供養と呼ばれる方法のひとつ。

書いている側の説明を読むと、理由は次の4つに分かれます。

言われる理由中身
遺骨はお墓に納めるものだから埋葬の慣習についての考え方
縁起が悪いから受け取る人の感覚
成仏できないから宗教的な言い伝え
加工が違法だから法律の話

上の3つは、そう感じる人がいるという話で、正しいかどうかを決められる性質のものではありません。

遺骨はお墓に納めるもの、という感覚は、人のお骨についての長い慣習から来ています。ただ、その慣習を支えている法律はペットを対象にしていません(次の章で条文を引きます)。慣習の話と、決まりの話が混ざりやすい部分です。

縁起が悪い、というのは受け取る人の感覚です。知恵袋にも「遺骨を身に着けるって様々な伝統の供養の形からすると真新しくて異端な感じ」という回答がありました(2020年6月15日の投稿)。新しいやり方だから落ち着かない、という感じ方です。

成仏できない、というのは言い伝えの領域です。そう考える人がいる、というところまで。

確かめられるのは4つ目だけ。そこから見ていきます。

法律はどうなっているのか

ペットの遺骨をアクセサリーにすることを禁じる条文は、見当たりませんでした。

墓地、埋葬等に関する法律が「埋葬」をどう定めているか。第2条の原文です。

この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。

「死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)」という書き方からも、人を対象にした条文だと読めます。もうひとつ、加工が違法だと言われるときに名前が挙がる刑法190条も引いておきます。

死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の拘禁刑に処する。

この条文は第24章「礼拝所及び墳墓に関する罪」に置かれていて、章の条文に動物の語は出てきません。人の遺骨の散骨について国の見解や自治体の条例を調べたときの整理は散骨は違法かにまとめてあります。

条文に書いていないだけなのか、それとも適用されないのか。ここは国が答えていました。平成16年10月29日の政府答弁書(内閣衆質一六一第二六号)です。ペット霊園事業について問われたもので、「二について」の全文がこの一文です。

動物については、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)は、適用されない。

同じ答弁書の「一について」には「『動物霊園事業』において取り扱われる動物の死体に関する法律は、存在しない」ともあります。20年以上前の答弁ですが、その後に動物の遺骨を対象にした法律ができた形跡は、今回調べた範囲では見当たりませんでした。

ここで気をつけたいのは、適用されないことと、何をしてもよいことは別だという点です。この記事で書けるのは「禁じる規定は見当たらない」というところまで。当てはめの判断は専門家の仕事です。

なお、この点は書いている側でも食い違っていました。検索の上位にある記事型8本を読むと、条文を引いている記事は1本もありません。そのうえで、ある記事は「ペットの遺骨についてはそもそも墓地埋葬法の対象ではない」と書き、別の記事は「日本の法律では、遺骨を墓地以外に埋葬することは禁止されていますが」と、人に向けた条文の話をペットの記事に書いていました。読む側からは、どちらが正しいのか分かりません。

分骨証明書は、施行規則の第5条にある人の焼骨の制度で、墓地等の管理者や火葬場の管理者が、請求に応じて「焼骨の埋蔵又は収蔵の事実を証する書類」を交付する、という定めです。ペットに相当する法令上の書類は見当たりませんでした。今回見た8店も、注文にあたって書類の提出は求めていません。

どのくらいの量が入るのか

ティースプーン1杯で5〜10個ぶん。1個あたりは小さじの5分の1から10分の1くらいです。

これは意外に書かれていません。検索の上位にある記事型8本を読みましたが、具体的な量を書いたものはありませんでした。「ごく少量」「指先や歯などの小さめのもの」という書き方まで。量に答えていたのは、知恵袋の回答のほうでした。

飲み薬のカプセル程度の大きさなので、実際は骨の形ではなく、焼却後に粉末状の骨を集めたものです

2025年4月7日の投稿です。色は「白っぽい骨の色」とも書かれていました。骨の形のまま入るわけではない、というのは最初に知っておきたいところ。

数字だけ見ると少なく感じるかもしれません。裏を返せば、骨壷のほうはほとんど減らない、ということでもあります。

入れなかった分がどうなるかも、店によって書き方が違いました。ガラス封入の店は、こう明記しています。

すべてのお客様に、ガラスへ入れなかったお骨も全てお返ししております。小さな粒も残らず、お家へお帰りいただいております。

ふたを開けて納める型なら、あとから取り出せます。特集ページには「蓋を外せばお骨を取り出すことが出来るので、新しい遺骨ジュエリーに納めなおすということも可能です」とありました。ひとつ選んだら終わり、というわけではありません。

「防水」と書いてあっても、お風呂で外すかは別

同じ「防水」の語でも、入浴してよいかの答えは店によって正反対でした。

どちらかが間違っている、という話ではなさそうです。読み比べると、防水という語がカバーしている範囲そのものが違いました。

ふたをゴムのパッキンで押さえる型は、開け閉めできることと引き換えに、閉まり具合に頼っている構造です。だから「小雨などに強く」と書く店はあっても、湯船につけてよいとまでは書きにくい。人の遺骨の専門店が「水の浸入を完全に防げるという保証はいたしかねますので」と添えているのは、その事情だと読めます。

一方、ガラスに封じ込める型は開きません。開かないから水も入らない代わりに、中身を入れ替えることもできない。加圧試験の店は、そのどちらとも違う三つ目の答えです。

そのガラス封入の店でも、温泉とプールは別扱いでした。

温泉やプールは強アルカリ・強酸性の水でガラスの表面が白く曇ってしまうことがありますので、外してお入りください。

火葬を経た骨は高温で焼かれていて乾いています。問題になるのは、後から入る水分のほう。水が入るかどうかを気にするのは、中身のためでもあります。骨壷で保管する側のカビについては、ペット遺骨カビは稀かに8社の説明と乾燥剤の割れ方を並べました。

頼む前に、店に聞く6つ

聞くべきことは、その店のページに「書いていない」ところに集まります。

なお、検索2位の店は、個別の商品ページを開いても寸法・防水・量・納め方・修理のどれも書いていませんでした。その店の運営会社は、量も防水も詳しく書いている検索4位の特集ページと同じ会社です。同じ会社でも、ページによって書いてある内容の多さが違う。だから「この店は不親切だ」ではなく、「そのページに書いてあるか」を見るほうが確かです。

言われた人は、どうしたか

実際に人から言われたという相談は、家族ではなく職場と学校で見つかりました。

相談の中身を見ると、どちらも「着けるかどうか」で悩んでいるわけではありませんでした。

職場の人は、過去に職場でネックレスを盗まれた経験があり、外して置いておくこと自体が怖い。だから辞めるかどうかまで考えてしまう。回答者たちはそこに対して「勤務中はポケットに入れておく」「家の安全な場所に置く」と、置き場所の話で答えています。学校の生徒のほうには、体育の着替えのときは外さなければならない、という事情がありました。

書いている側の想定とずれていた点です。検索上位の記事のうち3本は、家族や親族に理解してもらう、という方向で書いています(1本は友人も挙げています)。相談として現れたのは、毎日顔を合わせる相手のほうでした。

回答の多くが落ち着いた先は、外すか着けるかの二択ではありません。その場では外して、家では着ける。持ち歩き方を変える、という答えです。そう考えると、外したときに失くさない形かどうかも、お風呂と同じくらい気になってきます。

迷ったときの決め方

決められないときは、全部を決めてしまわない、という手があります。

知恵袋にこんな投稿がありました。いくつか作ったあとで、こう書いた人です。

ペンダントが増えて、無くすのも嫌なので、骨壷に戻しました

戻せた、ということでもあります。どちらが上ということではなく、あとで気が変わる余地を残したいかどうかの問題。ひとつ作ってみて、合わなければ戻す、という順番でも構いません。

海に撒くほうを考えているなら、事情が変わります。撒いてしまうと戻せません。実際に後悔した人の投稿を数えた記事が散骨を後悔した人は、実際にいるのかにあります。

店は8店しか見ていないので、ほかの店では扱いが違うはず。知恵袋も7スレッドだけです。数えられたことと、数えられなかったことの区別だけは、はっきりさせておきました。

火葬に立ち会う日の服装と、棺に入れられるものはペット火葬服装は普段着でよいかにまとめました。遠くの寺に遺骨を送る方法は遺骨とゆうパック(人の遺骨の話です)、ペットの見送り全体はペットの見送りにまとめていきます。