兵庫県で墓じまいの補助金はあるか

0件でした。41市町のどこにも、墓石の撤去費を出す制度はありません(2026年9月10日時点)。

数え方をはっきりさせておきます。0/41と言っているのは「墓じまいの補助金」だけです。このあと還付の話が長く続きますが、還付とは、いったん納めた使用料の一部が条件に当てはまったときに戻ってくることです。自分が出した分が部分的に返るだけで、市が新しく出すお金ではない。混ざりやすいので、補助金の数字はここで閉じます。

県の側にも制度はありませんでした。兵庫県の「補助・融資」のページ(2026年9月10日取得)に並ぶ制度に、墓地や改葬に関わるものは1つも入っていません。県営の墓地も、県のサイトでは見つけられませんでした。

遺骨を別の墓地や納骨堂へ移すことを改葬といい、市町村長の許可が要ります。

「補助金」と呼ばれているものが撤去費の助成・使用料の還付・合葬墓への受け入れに分かれることは、埼玉県の63市町村を調べた記事に整理しています。兵庫で見つかったものは、全部が2つ目でした。

「墓じまい 補助金 兵庫県」で検索すると、1ページ目の10件はすべて業者の記事です(2026年9月10日時点)。1位の遺骨供養会社は、見出しに神戸市・姫路市を並べていました。市の名前が入っていることと、その市に制度があることは別。現に神戸市は、自分で否定するページを持っています。

いずれ役所に電話をかけるのは私のほうです。埼玉・群馬・愛知に続いて4県目になりますが、兵庫は還付の条文がいちばん賑やかな県でした。

神戸市・姫路市・たつの市はどうか

3市とも補助金は見つかりませんでした。ただし還付の扱いは3つとも違います。

検索で名指しされるのがこの3市です。神戸と姫路は業者記事の見出しに並び、たつの市には「たつの市で墓じまいの補助金はありますか」という質問が実際に立っている。1つずつ当てました。

姫路市の様式は還付が存在する手がかりですが、いくら戻るのかは窓口でしか分かりません。

条文に「未使用」の条件が無い市が8つある

尼崎・明石・芦屋・相生・加古川・赤穂・加西・南あわじの8市です。市営墓地を持っていて、その墓地を返す人だけの話になります。

還付の条文が「未使用が条件の型」「未使用の語が無い型」「市長の裁量の但し書きだけの型」に分かれることは、群馬県の記事で整理しました。兵庫の8市は2つ目に当たります。ただし8市の中も、2つに割れました。

ここまで書けるのは、条文にその語が無いという事実までです。窓口で実際にどう当てはめているかは別の話なので、金額と可否は担当課へ。とくに加古川市のように「市長が特別の理由があると認めるとき」が上に載っている書き方は、条文だけでは決まりません。

反対に、「未使用」がはっきり書いてある市が6つあります。神戸のほか、豊岡(1年以内・使用することなく・2分の1)、西脇(3年以内の未利用で半額、3年超の未利用で3割)、宝塚(5年以内の未使用で5割)、三田(2年以内・使用することなく・半額)、養父(使用せず3年以内で5割、3年を超え20年以内で2割)。養父市の20年は長いのですが、3つの号がそろって「霊域を使用せず」を条件にしています。 豊岡市だけ管理料の扱いが別で、条例第10条第2項が「使用しない期間の管理料に相当する額を還付することができる。」

還付という話にならない市町もあります。宍粟市・市川町・神河町・洲本市は条例で墓地の使用料を無料と定めていて、戻る使用料が発生しません。朝来市は墓地条例の第8条が「永代使用料の還付は、原則として行わない。」で、第11条第2項に「前項の規定により原状に回復する場合の費用は、すべて使用者及び使用承継者の負担とする。」

もう1つ目についたただし書があります。淡路市の条例第14条は「墓所を原状に回復して返還しなければならない。ただし、市長の承認を受けたときは、現状のままこれを返還することができる。」相生市営墓園条例の第13条、芦屋市の条例第15条、丹波篠山市の条例第10条にも同じ形が入っていました。撤去せずに返せる余地が条文にはあります。ただし承認の条件は書かれていないので、上の注意書きどおり撤去を前提に窓口へ聞く順番は変えないでください。

41市町の確認一覧

判定は「なし」22、還付の規定あり14、還付の様式のみ1(姫路市)、確認できず4です。14の内訳は、条文に「未使用」の語が無いのが8市、未使用が条件のものが6市。

自分の市の行を探してください。右端の「公式」が、2026年9月10日に開いた根拠のページです。

自治体使用料の還付(補助金は41市町すべてなし)公営墓地改葬許可の手数料担当課根拠
神戸市還付規定あり(未使用が条件)鵯越墓園・舞子墓園ほか神戸市立墓園—健康局斎園管理課/各区役所保健福祉課公式 条例 規則
姫路市還付の様式あり(条件未確認)名古山霊苑・姫路西霊苑・片山霊園無料保健所衛生課公式
尼崎市還付規定あり(使用後も対象)弥生ケ丘墓園、西難波墓園—市営墓園=弥生ケ丘斎場管理事務所/民営墓地=生活衛生課公式
明石市還付規定あり(使用後も対象)石ケ谷墓園無料市民課(戸籍係)/墓園=公園・海岸課公式
西宮市なし満池谷墓地、甲山墓園、白水峡公園墓地、上田墓地、中津墓地、上鳴尾墓地「遺骨1体につき300円」斎園管理課公式
洲本市なし上内膳墓地ほか9墓地—生活環境課公式
芦屋市還付規定あり(使用後も対象)芦屋市霊園300円・被埋蔵者数分市民生活部環境課公式
伊丹市なし神津墓地、中野墓園無料生活環境課公式
相生市還付規定あり(使用後も対象)相生墓園、東部墓園、古池墓地—環境課 管理係公式 条例
豊岡市還付規定あり(未使用が条件)豊岡市立西霊苑、豊岡市立東霊苑許可証1通当たり300円生活環境課公式
加古川市還付規定あり(使用後も対象)日光山墓園—市民課公式 条例
赤穂市還付規定あり(使用後も対象)赤穂高山墓園——公式 条例
西脇市還付規定あり(未使用が条件)高松霊園無料戸籍住民課(霊園=防災環境課)公式
宝塚市還付規定あり(未使用が条件)西山霊園、長尾山霊園、宝塚すみれ墓苑市営霊園から600円/1体、市営霊園以外300円/1体環境部生活環境課公式
三木市なし確認できず「1人300円」市民課(戸籍係)公式
高砂市なし高砂市公園墓地—環境政策課公式
川西市確認できず川西市公営霊園「1件につき300円」市民課(証明担当)/霊園管理=川西市まちづくり公社公式
小野市確認できず来迎寺山墓地、黍田霊園、広渡墓園—市民課公式
三田市還付規定あり(未使用が条件)三田市霊苑—環境政策課公式
加西市還付規定あり(使用後も対象)加西市公園墓地—公園墓地=環境課/改葬許可=市民課公式
丹波篠山市なし共同墓地、一本松霊園—農村環境課公式
養父市還付規定あり(未使用が条件)大徳霊苑、大塚霊苑、大屋富士霊苑無料市民課公式
丹波市なし確認できず1名につき300円環境課公式
南あわじ市還付規定あり(使用後も対象)南あわじ市緑霊苑—環境課(緑霊苑所管)公式
朝来市なし秋葉台公園墓地、和田山駅北墓地ほか—市民課 環境推進室公式
淡路市なし津名公苑墓地ほか300円生活環境課 衛生業務係公式
宍粟市なし金谷墓地ほか7墓地—市民課公式
加東市なし確認できず無料市民課公式
たつの市なしなし無料環境課公式
猪名川町なしなし無料住民課公式
多可町確認できず確認できず—住民課(未確認)公式
稲美町なし確認できず—住民課公式
播磨町なし確認できず無料住民課公式
市川町なし町営墓地あり——公式
福崎町なしなし一通あたり300円住民生活課公式
神河町なし大川原墓地ほか7墓地——公式
太子町なし太子メモリアルパーク—生活環境課公式
上郡町なし確認できず1通300円住民課公式
佐用町なし新町墓地—住民課公式
香美町なしなし1申請につき300円町民課公式
新温泉町確認できずなし——公式

手数料の列には、市町のページにあった表記をそのまま置きました。無料の明記が9自治体(明石・伊丹・加東・播磨・姫路・養父・西脇・たつの・猪名川)、300円の明記が10自治体(西宮・芦屋・川西・三木・丹波・福崎・上郡・淡路・香美・豊岡)。宝塚市だけ2段で、市営霊園から出す場合が1体600円、それ以外が300円。残る21には記載がありません。書いていないことを無料と読まないほうがいい欄です。

役所に電話する前に確認する3つ

使用許可を受けた日付、条文に「未使用」の語があるか、そして申請の様式の名前です。

①使用許可の日付。兵庫ではここから何年経ったかで結論が変わります。加西は25年、赤穂は10年、明石・加古川・相生・宝塚は5年、芦屋・西脇・養父は3年、南あわじは使わずに返すなら1年・それ以外は3年、三田は2年、豊岡は1年。許可証か納付の控えを探して、日付を先に手元へ。

②「未使用」か「使用後」か。条文にその語が入っているかで、電話で聞くことが変わります。語が入っている6市(神戸・豊岡・西脇・宝塚・三田・養父)なら、墓石を建てたあとの返還が対象になるかどうかで1問。語が入っていない8市なら、期間の当てはめと手続きの順番を聞くところから。

③様式の名前。控えてから電話すると、担当の方が探す時間が減ります。姫路市は「霊苑使用料還付申請書」、赤穂市は「永代使用料等還付申請書」、尼崎市は「尼崎市弥生ケ丘墓園年間使用料還付請求書」、加古川市は施行規則の様式第7号。名前が違うだけで、性質は同じ書類です。

改葬許可は別の窓口になることが多い。明石市は改葬が市民課の戸籍係で墓園が公園・海岸課、尼崎市は市営墓園が斎場の管理事務所で民営墓地が生活衛生課でした。最初に改葬の担当はどちらですかと聞くほうが、回されるより早いと思います。

  1. 使用許可の日付を出す

    許可証や納付の控えから、市営墓地の使用許可を受けた日を確かめる

  2. 条文の型を見る

    自分の市の還付規定に「未使用」の語があるかを、例規集か市のページで確かめる

  3. 撤去して返す

    自己の費用で原状に回復し、返還の届出をする

  4. 様式で申請する

    市が定める還付の様式に記入して申請する

石材店に撤去の見積もりを頼む前に確かめること

兵庫には撤去費の補助金が見つからなかったので、見積もりの前に確かめるのは、返し方と還付の条件のほうです。

確認できなかった4市町と、制度が変わったときの見方

「確認できず」に入ったのは川西市・小野市・多可町・新温泉町の4つで、制度があるという意味ではありません。

川西市は公営霊園のページに返還も還付も出てこず、市の例規集に霊園の条例が見当たりませんでした。管理しているのが川西市まちづくり公社なので、条例ではなく公社の規程にある可能性があります。小野市は墓地設置規則に墓地の名前と委託先だけがあり、使用料と還付の条文がありません。多可町は公式サイトが証明書エラーで開けず、全項目が空欄。新温泉町は改葬の案内ページに到達できず、例規集にも墓地関係の例規がありませんでした。姫路市の還付率も未確認のまま残っています。

自分で例規集を開いてみたい方へ。「ほ」行から「墓地」で始まる例規を全部開く手順は群馬県の記事に書きました。ただ兵庫で分かったのは、それだけでは足りないということ。加東市のように「ほ」行に規則が1本あるだけの市もあれば、相生市のように墓園条例と墓地条例の2本が別に立つ市もあります。担当課のページで施設名を拾ってから引き直すと、取りこぼしが減ります。

数字は動きます。0/41は2026年9月10日に当てた範囲の話で、来年どこかが始めていれば変わる。逆に、還付の規定が改正で消えることもあります。加西市の25年や赤穂市の10年超が次の改正まで残るかどうかは、こちらには分かりません。出典欄のURLも、例規集の移設で動きます。

見直しは毎年9月。41件を同じ順番で開き直して、変わっていた欄だけ差し替えます。空欄で残した4市町と姫路市の還付率は電話で埋めるつもり。違うという連絡を自治体からもらったら、その場で書き直して取得日を差し替えます。

墓じまいのあとに遺骨をどう納めるかは墓じまい・仏壇じまいのカテゴリに足していきます。散骨を考えている方は散骨を後悔した人は実際にいるのかもどうぞ。兄弟と費用をどう分けるかで止まっている方は、墓じまいの費用は誰が払うのかに条文と条例を並べました。