夜でも、いま誰かに話したいときは、よりそいホットライン(0120-279-338。福島県からは0120-279-226、050で始まるIP電話からは050-3655-0279)があります。一般社団法人 社会的包摂サポートセンターが運営する電話で、厚生労働省の電話相談の案内では24時間対応とされています(2026年10月14日確認)。

知恵袋で読んだ相談の一つは、60代で、80代後半の母と暮らす人のものでした。「私が薄情なのか、どこまでが普通なのか分かりません」。ついた4件の回答は、ありがたいと思うよう諭すものや、聞き流すコツ、干渉しないでと伝える言い方で、窓口の名前も電話番号も出てきません。

私自身は、窓口に電話して確かめてはいません。自治体と厚生労働省の公式ページ、法令の本文を2026年10月14日に読んで書きました。窓口の受付時間やサービスの条件は市区町村で違うので、最後はお母さんの住む市区町村の案内で確かめてください。

母が介護保険を使っていなくても、家族からの相談を受けると書いている窓口があります

最初の窓口になる地域包括支援センターとは、市区町村が置いている、高齢者とその家族の相談窓口です。名古屋市では「いきいき支援センター」と呼ぶなど、名前が違う市もあります。探すときは「(お母さんの住む)市区町村名+地域包括支援センター」で検索すると、市区町村の案内ページが見つかります。

厚生労働省の介護サービス情報公表システムは、総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の利用相談について、この窓口の役割を次のように書いています。

具体的な内容相談は地域包括支援センター等の専門職が家族を含む相談者の具体的相談を受けます。

練馬区は「高齢者ご本人はもちろん、ご家族や近隣に暮らす方からの相談や悩みをお聞きし」と書き、大阪市平野区は「高齢者の方やご家族からの相談をお受けします」「相談は無料です」としています。

家族の会は名前に認知症が入っていますが、電話相談のページでは、認知症に関する知識や介護の仕方などなんでも尋ねてよい、介護のグチや悩みを思う存分話してほしい、と案内しています。

お母さんがまだ元気で、困っているのが口うるささや毎日の電話のような場合も、地域包括支援センターに「〇歳の実母のことでご相談したい」と伝えるのが入り口になります。この言い方は、東京都の女性向け相談サイト「TOKYOメンターカフェ」で、回答者が勧めていたものです。回答者は専門職ではなく、同じような経験を持つ都民のメンター。90歳を超えた母と同居し、「介護認定はまだ受けてません」と書いた50代の相談に、地域包括支援センターへ事前に電話して「〇歳の実母のことでご相談したい」と伝えると、向こうからいろいろ聞いてくれて面談の予定を組んでくれると思う、と答えていました。

声を荒げてしまう、手が出そうなときも、相談できる窓口があります

怒鳴ってしまう、手が出そうになる。それを人に言うのは勇気が要りますが、介護する家族の負担を軽くする相談は、市町村が行うと法律に書かれています。自治体の広報にも、介護を担う人へ向けた呼びかけがあります。

法律がどう当てはまるかを、この記事では判断しません。書けるのは、介護する家族の負担を軽くする相談を市町村が行う、と法律に書いてあるところまでです。

福岡市の市政だより(令和7年12月1日号・城南区版)には、「【城南区】高齢者の介護についての悩みや不安 抱え込まずに相談してみませんか」という記事があります。記事は、長く続く介護では、介護をする人が心身の疲れやストレスなどから追い詰められてしまうことがある、と書いています。区の担当者は「どんな小さなことでもいいので話してみませんか」と呼びかけています。

福岡市でこの相談を受ける窓口は「いきいきセンターふくおか」(福岡市の地域包括支援センター)で、月曜日から土曜日の午前9時から午後5時まで(祝日・年末年始を除く)。福岡市のように、休日・夜間の緊急の電話を設けている市もあります。お母さんの住む市にあるかは、市のページか地域包括支援センターで確かめてください。

相談先の名前を検索で探すより、「市区町村名+地域包括支援センター」に電話して、怒鳴ってしまうことも含めて話すのが早いと思います。夜で、どこも開いていないときは、冒頭のよりそいホットラインが24時間です。

介護が要る場合、会う時間を減らす手段は、同居か別居かで条件が変わります

お母さんに介護が要る場合、世話の一部をほかの人に移すサービスがあります。ただし、一緒に住んでいるかどうかで使える条件が変わるものがありました。

ショートステイ(短期入所生活介護)とデイサービス(通所介護)は、厚生労働省の情報公表システムで、目的に「家族の介護の負担軽減」が書かれています。ショートステイの対象の例には「家族(介護者)の身体的・精神的負担の軽減」が挙がっていました。家族が休むことが、公式の説明に目的として書かれているサービスです。

調布市の文書は、同居家族が「やむを得ない事情」で家事をできない場合などに、ケアプランに基づいて使える場合があるとしています。事情の例は、同居家族が障がい・疾病等で家事ができない場合、日中独居の時間にサービスを使わないと本人の状態に影響する場合、「家族関係にきわめて深刻な問題があり、援助が期待できない場合」の3つ。やむを得ない事情はこの3つに限らず、個々の利用者の状況によって判断される、とも書かれていました。一方で、次の一文も添えられています。

(注)あまり関係が良くない、家事に慣れていない、家事をしたことがないなどの理由はこの条件に該当しません。

同じ文書は、厚生労働省が「同居家族がいることのみをもって、利用の可否を機械的に判断しないよう」見解を示しているとも書いています。二世帯住宅や同じ敷地内の別棟は、住民票に関わらず「原則同居と判断」するとのこと。この扱いは介護保険の訪問介護についてのもので、シルバー人材センターの家事援助は介護保険とは別のサービスです(練馬区のページに同居の条件の記載はありませんでした)。同居の場合は、家事を頼めるかをケアマネジャーや窓口に聞くのと合わせて、ショートステイやデイサービスで「お母さんが家にいない時間」を作る方向のサービスも聞いてみるとよいと思います。

配食は、同居か別居かだけでは決まりません。広島市は「ひとり暮らし、またはおおむね65歳以上の高齢者のみの世帯」のほかに「虚弱で調理が困難であること」を要件にしていて、「準ずる世帯」には「長時間高齢者のみとなる世帯」などの定義があります。申請から開始まで15日程度かかるとも書かれていました。浜松市は、市民税非課税の世帯で、「心身の状態及び生活の状況等により食事の調理が困難な方」が対象です。こうした扱いは市区町村ごとに文書が違うので、お住まいの市区町村かケアマネジャーに確認してください。

遠くに住んでいて、会う時間ではなく電話やLINEの回数が負担になっている場合は、見守りの機械で「様子を知る手段」を別に持つ方法もあります。見守りグッズ13製品の比較と、実家にWi-Fiがない場合のWi-Fi不要の見守りカメラにまとめました。遠距離の場合の相談先を、母の住む地域と自分の住む地域のどちらにするかを書いた公式ページは今回見つけられなかったので、まず母の住む市区町村の高齢者福祉の窓口に、どこへ話せばよいかを聞くのが確かだと思います。

ショートステイやデイサービスは、要介護などの認定が前提です。申請は家族もできます

ショートステイ・デイサービス・訪問介護を使うには、要支援か要介護の認定が要ります(デイサービスと訪問介護は要介護1〜5)。この申請は、お母さん本人でなくても、家族ができると案内している市が多くありました。

市公式の書き方
横浜市「ご本人又はご家族などが区役所高齢・障害支援課で『要介護認定』の申請をします」。地域包括支援センター(地域ケアプラザ等)などに代行してもらうこともできる
名古屋市「本人や家族の申請以外に、いきいき支援センター(地域包括支援センター)・指定居宅介護支援事業者・介護保険施設等に申請の代行をしてもらうことができます」
大阪市書類を認定事務センターに郵送。本人・3親等以内の家族・申請代行事業者以外が申請する場合は委任状が要る。電子申請は本人のみ
福岡市「申請は家族などが代理で行うこともできます」。代行は「本人や家族が申請に行くことができない場合など」

申請のあとは、市から委託を受けた調査員による本人の心身の状況の調査と、主治医の意見書があります(大阪市の流れ)。介護保険法の第27条第11項は、申請に対する処分を「当該申請のあった日から三十日以内にしなければならない」としていて、特別な理由がある場合の例外も書かれています。大阪市の案内では、認定の有効期間は原則6か月(更新の場合は12か月)。

お母さんが調査を嫌がりそうな場合も含めて、申請の前に地域包括支援センターに話しておくのが一つの方法です。練馬区は、センターで要介護・要支援認定の申請を受け付けていると書いています。認定が出るまでの間も、総合事業のサービスや、シルバー人材センターの家事援助のように、認定を条件にしていないものがあるかを、同じ窓口で聞けます。

窓口に話す前に、メモしておくこと

電話で話すときに、次のことを手元に書いておくと、窓口の側が状況をつかみやすくなります。全部そろっていなくても話せます。

メモは、お母さんに見せるためのものではありません。窓口で「どうしたいですか」と聞かれたときに、自分の手元を見て答えられるようにしておくためのものです。

決めておくこと

最後に、電話の前に決めておくと進めやすいことを3つだけ挙げます。

  1. 最初に電話する窓口を1つ: 平日の昼なら「市区町村名+地域包括支援センター」。夜や休日ならよりそいホットライン
  2. 手を離したい世話を1つ: 全部を変えようとせず、ショートステイ・デイサービス・配食・家事援助のどれで減らせそうかを窓口で聞く
  3. 24時間の番号を携帯に登録: よりそいホットライン 0120-279-338(福島県からは0120-279-226。050で始まるIP電話からは050-3655-0279)。厚生労働省の案内では24時間対応です(2026年10月14日確認)

お母さんが外を歩くときの道具(シルバーカーなど)を選ぶ相談も、地域包括支援センターが入り口の一つになります。シルバーカーに見えないものを選ぶ前にで、相談先と合わせて書いています。