訃報が届いて、手元に喪服がない。買うのか、借りるのか、人に借りるのか、手持ちの服で行くのか。喪服がない場合に取れる手はこの4つで、どれを選べるかは、いつの式に出るか、どの立場で出るかで決まります。

この記事では、同じ状況で相談した人への回答26件を全部読んで数え、レンタル5社の締切を公式ページで確かめました。2026年9月17日に確認した内容です。

言葉を1つだけ先に。準喪服とは、参列する側が着る一般的な喪服のことです。喪主や遺族が着るいちばん格の高いものは正喪服と呼ばれ、格式の違いは喪服スカートの丈が長すぎる気がするときに整理しました。

まず、3つのことを決める

いつの式か、どの立場か、そしてどこまで動けるか。この3つで選べる手が変わります。

1つ目が効くのは、通夜と告別式で扱いを分けているサイトがあるからです。いい葬儀は通夜に限り平服での参列が可能だとしています。幅があるのは条件の付け方で、「一般会葬者は通夜へは平服で参列できる」と参列者を限る社もあれば、告別式については喪服を勧める書き方をする社もありました。

2つ目は、遺族や親族なら葬儀社に相談できる場合があるためです。喪家であれば貸衣装を用意できる、という回答が知恵袋にもありました。葬儀会社がレンタルしている場合があるから聞いてみる、という回答も別にあります。

3つ目は後半の表で効いてきます。この記事でいちばん意外だったのは、最も早く手に入るのが配送ではなかったことでした。

なお、対処法を3つに整理しているページがあります。いい葬儀は「購入する・レンタルサービスを利用する・知り合いに借りる」の3つを並べていました。この記事ではそこに「手持ちの服で代用する」を加えて4つとして扱います。実際の相談では代用を選んだ人が少なくないためです。

相談した人は何を勧められたか

代用と購入で、意見は正面から分かれています。

最も支持された回答は、条件を付けて代用を認めるものでした。

黒や紺系のスーツはありませんか? 喪家なら貸衣裳あります。 一般の参列であれば黒や紺系の平服でOK!

「一般の参列であれば」という条件が付いていることに注意してください。この回答は、遺族側なら貸衣装という別の道も示しています。

ほかにも代用を勧める声はあります。上と下それぞれ黒一色の服なら喪服でなくてもなんとかなる、と書いた回答がありました。落ち着いたジャケットでよい、という回答もあります。黒の無地のワンピースならしまむらでもGUでもユニクロでも手に入る、と具体的な店を挙げた回答もありました。

反対側の声もあります。ユニクロの黒いスーツは通夜ならともかく葬式ではおかしい、と書いた人がいました。普段着で来ている人はいないので買うのが普通だ、いい大人なら非常識と思われる、と書いた人もいます。

よく読むと、この2つは別の場面の話をしています。 代用を支持する回答は通夜を想定するか「一般の参列であれば」と条件を付け、反対する回答は告別式を想定するか「大人なら持っているもの」という前提から書いていました。割れているのは結論ではなく、前提の置き方です。

購入を勧める回答にも具体名が出ています。しまむらに買いに行く、と書いた回答がありました。Amazonで翌日配達の喪服を急ぎ発注する、という回答もあります。祖母が亡くなったときに慌てて買ったが、デパートが近くにあって助かったという体験も書かれていました。24時間営業の店を探すという案もありましたが、書いた本人が「あっても安物かもだけど」と添えています。

時間はどれくらいあるのか

式までの日数を先に確かめると、選べる手が変わります。

葬儀なら急ということはまずなく、一日二日は猶予がある。最近は火葬場が混んでいて一週間後になることもある。知恵袋にはそう書いた回答がありました。その間に買いに行くか、知り合いに借りるか、という提案です。

間に合わなかった例もあります。「喪服を持ってないって非常識ですか?」という2011年の質問に、最も支持された回答がこう書いていました。

非常識とは思いませんが 学校を卒業した大人ならば 持っていないと いざと言う時に 困るかも…ですね

この回答者は続けて、実際に困った例を挙げています。実母の葬儀のとき、義理の弟が礼服を持っておらず、告別式の当日に買いに行って、義母ともども遅刻したという出来事です。当日に動くと何が起きるかを示しています。

火葬場の混み具合は地域と時期で変わるもの。葬儀社に日程を聞けば、残り時間ははっきりします。

レンタルを使うなら、締切がある

注文の締切は店によって違い、締切を示していた4社では14時から19時まで開きがありました。

締切が遅い店ほど早く届くわけではありません。 最も遅い19時のチャトランは到着を「翌日以降」としており、翌日を約束していません。最も早い14時の礼服レンタル.comは平日なら全国翌日ですが、土日祝は発送拠点が減るため東日本が最短翌々日になります。今日が何曜日かで答えが変わる、ということ。

そして最速は配送ではありませんでした。 やましたは店頭受取なら最短2時間、喪服レスキューは無人店舗で予約後すぐ試着できると案内しています。今夜の通夜に間に合わせたいなら、届くのを待つより取りに行くほうが早い場合があります。

ただし店頭受取も無人店舗も、その店がある地域でしか使えません。先ほどの3つ目の確認がここで効いてきます。取りに行けるかどうかで、選べる手が変わります。出かける前に、店の場所と在庫を電話で確かめてください。

返却の方法も店で分かれていました。相羽はコンビニで返せるとし、やましたは4日目の17時までにヤマト運輸へ発送する形。チャトランと礼服レンタル.comは着払いの伝票が同封されています。喪服レスキューは返す前のクリーニングが不要と書かれていました。葬儀のあと数日は落ち着かないものなので、返す段取りまで見ておくと後が楽になります。

買うと決めたときに確かめること

喪服専門通販のMONOIRは、返品の条件を細かく決めていました。

返品を受ける期限は「商品お届け後7日以内に、お問い合わせフォームからメールにてご連絡ください」。期限は返送ではなく連絡の期限です。そして返品できない条件が並びます。

送料については、店舗都合なら全額店舗負担、お客様都合の場合は往復送料と振込手数料が自己負担と案内されています。

MONOIRの場合、一度袖を通すと返品の対象から外れます。サイズが不安なら、タグを付けたまま鏡の前で確かめて、その日のうちに決める必要があります。

葬儀社のページでは、大手スーツ量販店で買う方法も案内されていました。公益社は「AOKI、洋服の青山などの大手スーツ量販店」を挙げています。急ぐなら店舗に在庫を確かめてから出かけるほうが確実です。

通販で買う場合は、届く日の書き方と返品の条件が店ごとに違います。前開きで家で洗えると書かれた喪服を、3つの店の商品ページで読み比べました。

翌日に届くと書いている店でも、今夜の通夜には間に合いません。今夜なら、前の章で触れた店頭受取や無人店舗のほうが早い場合があります。明日以降の告別式に合わせるなら、注文画面に出るお届け予定日を見てから決めることになります。東京ソワールの楽天店は「営業日の」午前12時までと書いていて、店のカレンダーには休業日もあります。

発送の日数を店の案内で確かめられた2つを載せておきます。どちらも、ワンピースが前開きで家で洗えると商品ページに書かれていました。

価格は4万円台と1万円台で、号数の幅も違います。東京ソワールは5・9・13・17号の4つ、マーガレット・ゴールドは7号から25号まで。間の号を選びたいかどうかでも、向く店は変わります。

手持ちの服で通すなら

代用する場合の条件を、公益社が具体的に挙げていました。

「黒に近い落ち着いた色味」で「光沢の少ない服」。女性なら露出の少ない服装として、黒無地のワンピースに黒ストッキング、シンプルなアンサンブルが例に挙げられています。アクセサリー類は外しておくこと、とも書かれていました。

判断に迷ったら、式場に電話して聞くのが早いこともあります。遺族側であれば、葬儀社が貸衣装を扱っている場合があります。

喪服を持っていない人の割合について

調べた範囲では、一般の人を対象にした保有率の調査は見つけられませんでした。

よく見かける「4割が持っていない」という数字には出どころがあります。喪服メーカーの東京ソワールが2026年7月に発表した調査で、夏用の喪服を「持っていない」と答えた人が39.3%でした。ただしこの調査の対象は同社のメールマガジン会員285名です。同社の顧客に近い層に、夏用を持っているかを聞いた数字ということ。

一般の保有率として読むと、二重に誤ります。夏用に限った数字であること、対象が偏っていること。数字そのものは調査どおりですが、使いどころが違います。

同じ調査には、参列したときに何を着たかを聞いた設問もありました。オールシーズン用の喪服が45.3%、夏用が43.9%、着物が1.8%。そして普段着の黒を着たと答えた人が4.6%います。喪服を買ったことのある層に絞った調査でも、手持ちの黒い服で参列した人が一定数いたということになります。

冠婚葬祭の業界団体が実施している大規模な意識調査も探しましたが、一覧ページはあるものの報告書のPDFに行き着けませんでした。

今日、どう動くか

通夜で、一般の参列なら、手持ちの地味な服でよいとする声が多数でした。黒に近い落ち着いた色で、光沢を避け、アクセサリーを外す。それで足りることが多いようです。

告別式で、ある程度の立場があるなら、購入かレンタルを考えることになります。レンタルなら締切があり、取りに行けるなら配送を待つより早い。買うなら、返品の条件を先に読んでおく。

遺族や親族なら、まず葬儀社に聞いてください。貸衣装を扱っている場合があります。

この記事では、法要ごとの服装は扱っていません。

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