色・厚さ・冬の寒さ。この3つについて、検索上位10件のうちURLを特定できた9本、アツギ・グンゼ・福助・東京ソワールの公式FAQとコラム、礼装用を中心にストッキング6商品の商品ページ、知恵袋の8つの質問に付いた回答60件を2026年10月9日に全部読んで数えました。商品を買って、はいて確かめたわけではないので、透け感やはき心地の評価は書いていません。
喪服そのものが手元にない場合は、喪服がない場合に今できることが先です。この記事は足元の色と厚さだけを扱います。
黒が基本。肌色を許す声にも「基本は黒」がついていた
回答を場面ごとに分けると、肌色を許す声は通夜と平服の法事に集まっていました。場面を限らず「肌色でも良いとされる」と紹介した回答も2件ありましたが、どれも黒を勧めるか、黒が無難と添えています。
通夜の肌色には、次のような意味づけが語られています。知恵袋でいちばん読まれていた質問(2012年・閲覧8万3千回)のベストアンサーは、次のように書いていました。
お通夜の時は、『突然のことでとりあえず駆けつけてきました』という意味合いをもたせるために、あえて『肌色にする方が良い』いう人もいます
同じ意味づけはMONOIRの記事にもあり、「基本は黒と覚えておくとよいでしょう」と続けています。服部葬儀社の記事は通夜に限らず同じ趣旨を書き、FAQでは「基本は黒が無難です」。2010年の質問に付いた回答も「お通夜の席なら仕方ないかもしれませんが告別式の席なら黒を」と、告別式で線を引いています。
法事は、喪服を着るかどうかで答えが分かれていました。2023年の質問のベストアンサーは「喪服なら黒、平服なら肌色でいいと思います」。三回忌以降で喪家から「普段着で」と申し出があった場合を挙げた回答もあります。一方でニッセンの記事は平服指定でも黒を勧め、MONOIRは略喪服なら肌色でも問題ない場合もあるとしつつ「事前に家族に確認しましょう」と書いています。記事の間でも答えが割れる場面です。
「肌色が正式」と聞いたとき
「肌色のほうが正式」という話は、2012年の質問者が人から聞いたとして書いていました。ただ、その出どころは今回たどれず、そう書いた記事も回答も見つかっていません。肌色でも良いとされる、と紹介した回答はあります。「黒が基本のようですがベージュも可とありました」(2012年)、外部サイトの「好ましいのは当然、黒色ですが肌色のものでも良いとされています」を引いた回答(2006年)の2件で、どちらも続けて黒を勧めています。2012年のベストアンサーも、冒頭は「黒でも肌色でもどちらでも良いみたいですが、風潮的には『黒』という意見が多いようです」でした。
逆に、周りは黒だった・肌色は目立つ、という体験談は、色の質問5本のうち4本に計8件ありました。「たまに肌色で参列している人がいますが、あれは目立ちます」(2006年)、「みんな黒なので多分違う色だと浮きますね」(2023年)といった声です。
喪服メーカーの東京ソワールも、通夜の服装についての公式コラムで同じ方向のことを書いています。
ナチュラルなストッキングはNGではありませんが、あまりお見かけしないので黒をお勧めします。
福助の満足コラム(2019年)にも「葬儀の席では黒のストッキングを、結婚式では肌色もしくはベージュのストッキングをはくのが無難です」とありました。NGとまでは書かない、でも黒。東京ソワールと福助の書き方は、この線でした。
平服の法事で迷ったときについて、2023年の回答者の一人は「分からない時は黒を持って、ベージュで行きます」、周りを見て履き替える、と書いていました。
何デニールからタイツか、メーカーで一致しない
色の次に迷うのが厚さです。検索上位の記事は「20〜30デニール」と書くものが多いのですが、肝心の「何デニールからタイツか」は、メーカー自身が言うことがそろっていませんでした。
境目がそろわないことは、メーカー自身が認めています。福助の満足コラム(2019年)の一文です。
実はストッキングとタイツの明確な基準はありません。各社で基準が異なるアイテムなので、たとえ同じデニールであっても、あるメーカーはストッキング、あるメーカーはタイツ、とそれぞれ別の商品として販売されている場合もあるため注意が必要です。
アツギのFAQも、目安を示したあとに「商品によっては、用途に応じてデニール数と異なる商品カテゴリ(ストッキング・タイツ)に設定している場合があります」と断っています。同じ30デニールでも、メーカーの間はもちろん、同じ会社の中でも呼び方がそろわない、ということです。
検索上位9本も同じでした。境目に触れた5本は、呼称の区分(ニッセン「25~30デニールまでがストッキング」、MONOIR「30デニール以下」、広島「30デニールよりも大きいものをタイツ」)、透け感の目安(服部「50デニールを超えると肌が透けず」、ゲートハウス「70デニール以上になってくると、なかなかタイツと判別しづらく」)、着用を勧める厚さが混ざっていて、数字もそろいません。推奨の数字に出典を付けた記事も、メーカーの定義を引いた記事も0本でした(2026年10月9日)。
数字が当てにならないなら、何を見ればいいのか。福助のコラムは「実際にはいてみないと透け感はわかりません。はいた時に肌が透けて見えないようなら、やはり避けた方が良いでしょう」と書いています。MONOIRも、パッケージの見た目とはいたときの透け感は思った以上に違う場合がある、と書いています。All Aboutの冠婚葬祭ガイドは「30デニール以下がちょうどその透ける程度の境界線」としています。
境目の数字ではなく、はいて肌がうっすら透けるかどうか。メーカーと記事を並べて読むと、判断の軸はそこに落ち着きます。
礼装用5商品のうち4商品は、商品ページにデニールの記載が無かった
デニールで選ぼうとして売り場に立つと、もう1つ壁があります。今回確認した礼装用5商品のうち4商品は、商品ページの本文にデニールの記載を確認できませんでした。
ニッセンの記事も「ストッキングにはデニール表記がほぼない」と書いています。福助の満足コラムによると、葬儀用として売られている黒は「20デニール前後であることが多い」そうです。
2011年の質問者は、回答を読んだあとに「もしかしたら今まで無意識に『タイツ』を選んでいたのかもしれません」と書いていました。透けない黒を選んでいたらタイツだったのかもしれない、と本人が振り返った例です。同じ質問の回答者は「わざわざ『礼装用』と書かれている黒ストッキングもあります」と答えています。
数字が無いなら、表示で選ぶ。売り場や商品ページで見るところは次の5つです。
商品ページの表記を並べて、伝線しにくいと書かれた3足組と、弔事用と書かれた1足の2つを載せておきます。価格は2026年10月9日に公式または楽天の公式店で見たものです。
今日明日の通夜なら、知恵袋には、外部サイトを引用した回答に「コンビニでも、葬儀場でも売っているものです」という一文がありました(2006年)。しまむらの通販の礼装用ストッキングについては、しまむらの喪服は通販だと予約商品で触れています。
冬はタイツでいいか。メーカーの間でも書き方が逆
冬の葬儀にタイツをはいていいかは、メーカー同士でも言うことが分かれていました。
アツギの礼装の商品説明は、こう書いています。
寒い冬でも、カジュアルな印象となるためタイツはNGとされています。
一方、喪服メーカーの東京ソワールは、通夜の服装についての公式コラムで逆のことを書いています。
気温によっては、黒のタイツでも構いません。寒さを我慢するより、その場を快適な状態で参列する方が大事だからです。
検索上位の記事には、冬は50〜60デニールを目安に挙げるものがありますが、条件や上限の扱いは記事ごとに違います。ニッセンは「50~60デニール程度ならOKとなる場合もあります」、おくりびとのお葬式は「冬の場合は多少厚手の60デニール程度のストッキングでも大丈夫」、MONOIRは真冬や雪国なら「60デニールくらいまでであれば問題ないともいわれています」、ゲートハウスは「冬場に限り50〜60デニール」で極寒なら60デニール以上も、カシヤマは「60デニール以上」でした。ただ、礼装用と銘打った60デニール前後の商品は、グンゼ・アツギ・福助の公式では見つかりませんでした。
知恵袋の声は、質問の年によって違って見えます。
2025年の質問には、60代を名乗る回答者がこう書いていました。「昔のタイツはカジュアルでフォーマルではないから…駄目と言われていただけ」。2020年の質問では、50代半ばの回答者が「もし1月2月のお葬式なら、堂々と100デニールのタイツで行きます」。雪国や周りのお年寄りは黒タイツや黒ズボン姿だ、という回答もありました。2011年の回答も「寒冷地であるとかご高齢であるとかの事情がない限りは」避けたほうがよい、と条件付きでした。
ただし、これは知恵袋の3本を読んだ範囲の話です。アツギのように今もタイツをNGとするメーカーがあり、2012年の質問のベストアンサーには「ご年配の方やマナーに厳しい人ほど、黒のタイツを嫌がる傾向」という一文もありました。冬のタイツがどう受け取られるかは、地域や親族によって違うと考えておくのが現実的です。
寒さ対策として回答に出てきたのは、ベージュのストッキングの上に黒を重ねる方法です。2020年の回答は「黒ストッキングで行く場合はベージュの上に重ねて穿くという必殺技があります」と書いていました。
東京ソワールは、スカート丈がひざくらいのときは少し濃いめの黒のほうが美しく見える、とも書いています。丈そのものは喪服スカートの丈が長すぎる気がするときで床からの寸法を確かめられます。
買っておくなら、入数とサイズで分ける
礼装用の黒ストッキングは1足なら数百円、3足組でも千円台のものが多く、前もって通販で用意できます。差が出るのはデニールより入数とサイズでした。
伝線が心配で予備も持っておきたいなら、グンゼの3足組。グンゼの商品ページは公式・楽天・Amazonとも3足組で同じ価格でした。1足だけ「弔事用」と書かれたものを揃えるなら、アツギのFP3501です。Amazonでは3足セットで価格も入数も違うため、表は公式・楽天の1足の価格です。
M-LやL-LLがきつくなった人には、アツギのゆったりサイズFP5099。JM-L(身長150〜165cm・ヒップ95〜113cm)の1サイズで、後ろマチ付きです。
デニールの数字で選びたいなら、4商品で唯一数字を書いている東京ソワールの18デニール。入数の表記は無く、開封後の返品は受け付けていません。
| グンゼ 礼装用 ブラック 伝線しにくい 同色3足組 ストッキング | アツギ 礼装 礼装用ストッキング | アツギ 礼装 礼装用 ゆったりサイズ ストッキング | 東京ソワール フォーマルストッキング(ブラック) | |
|---|---|---|---|---|
| 価格 | 1,155円 | 385円 | 550円 | 1,650円 |
| デニール表記 | 表記なし(説明は「ほどよく肌の透ける生地感」) | 表記なし | 表記なし | 18デニール |
| 入数 | 3足組 | 1足(公式・楽天に「足組」の表記なし) | 1足(公式の価格) | 表記なし |
| サイズ(身長・ヒップ) | M-L(身長150〜165cm・ヒップ85〜98cm)/L-LL(身長155〜170cm・ヒップ90〜103cm) | S-M(身長145〜160cm・ヒップ80〜93cm)/M-L(身長150〜165cm・ヒップ85〜98cm)/L-LL(身長155〜170cm・ヒップ90〜103cm) | JM-L(身長150〜165cm・ヒップ95〜113cm) | M〜L(身長150〜165cm・ヒップ85〜98cm)/L〜LL(身長155〜170cm・ヒップ90〜103cm) |
| 弔事用の表示 | 表記なし(商品名は「礼装用」、説明は「フォーマルな場面にふさわしい」) | あり(特徴欄に「弔事用」) | あり(特徴欄に「弔事用」) | 説明に「弔事におすすめのブラックストッキング」 |
| 主な加工 | 黒原着素材・伝線しにくい・つま先補強・抗菌防臭・静電気防止・部屋干し対策 | オールSCY・補強トウ・静電気防止加工・抗菌防臭加工・バックマーク付 | ゆったりサイズ・後ろマチ・オールSCY・補強トウ・静電気防止加工・抗菌防臭加工・バックマーク付 | 表記なし(説明は「ほどよい透け感と自然なツヤ感」) |
| 原産国 | 公式ページに表記なし | 中国 | 中国 | 表記なし |
| 楽天市場で見るAmazonで見る | 楽天市場で見る | Yahoo!ショッピングで見る | 楽天市場で見るYahoo!ショッピングで見る |
透け感は、はいてみないと分からない、と福助もMONOIRも書いていました。届いたら一度はいて、肌がうっすら透けるかを確かめてから、喪服やバッグと一緒にしまっておく。次に急に必要になったときに慌てずに済みます。