骨壺(骨壷)とは、火葬のあとに拾った遺骨を納める壺のことです。この記事は、墓じまいや散骨、手元供養で遺骨を出したあとに残った空の骨壺と骨箱の話に絞ります。遺骨そのものの扱いには触れません。

骨壷の処分で迷ったら、まず自分の市の分別辞典で「骨壺」を引き、無ければ「陶磁器」「壺」で引き直してください。政令市20市と東京2区の分別辞典を読むと、「骨壺」を品目に載せていたのは2市だけで、陶磁器の区分の名前は10通り以上ありました。割ってから出すよう書いた公式は、確かめた範囲では見当たりませんでした。

公式の分別辞典と業者の公式ページを2026年10月1日に読んで書きました。

空の骨壺は、まず陶磁器の区分で引いてみる

22自治体のうち「骨壺」を品目に載せていたのは2市だけ。残りの20自治体は、皿や茶碗と同じ「陶磁器」の区分で読むことになります。

その2市は横浜市(燃えないごみ)と静岡市(不燃・粗大ごみ)です。横浜市の一覧表は、骨壺の出し方のポイントに「中身を空にして。」とだけ書いていました。静岡市の品目ページは区分だけで、出し方の欄には中身の文言が入っていませんでした。

残りの18市と2区では「陶磁器」「せともの」「壺」で引き直すことになりますが、引っかかるのは、区分の名前が市によって大きく違うこと。

上位の記事のほとんどは「燃えないごみ(不燃ごみ)の日に出す」と書いています。ところが、陶磁器の区分名に「燃えない」「燃やせない」「不燃」の語が入っていない市が7市ありました。

市陶磁器の区分
仙台市・北九州市家庭ごみ
川崎市・大阪市普通ごみ
京都市燃やすごみ(陶磁器はできる限り拠点回収を、という案内つき)
相模原市燃やすしかないごみ(一般ごみ)
熊本市埋立ごみ

この7市では、「燃えないごみの日」を探しても出す日が見つかりません。

調べた22自治体の分別辞典に、「割ってから出す」という指示はありませんでした

確かめた22自治体の分別辞典に、陶磁器や骨壺を割ってから出すという指示は見当たりませんでした。

上位の記事には、自治体の決まりとして割るよう書いたものがあります。

公式が求めていたのは、主に次の2つ。

  1. 包んで表示する: 札幌市「割れ物は厚紙などで包んで、「キケン」と表示」、大阪市「厚紙などに包んで、袋に「キケン」と表示してお出しください。」、福岡市「割れたもの、割れやすいものは厚い紙で包んで「危険」と表示」など、11自治体が包み方や表示を書いていました
  2. 大きさの上限を守る: 30cm、45リットルの指定袋に入るか、袋の口が結べるか、などで線を引いています(区分の表と、割るかどうかの見出しで説明)

新聞紙の話は、上位の記事と公式で役目の違う紙を指しています。上位の記事のうち2件は「燃えやすい新聞紙などにくるんで割るのは避けましょう。」など、割る工程で新聞紙を使わないよう書いていました。一方、相模原市は割れやすいもの(割れたものを含む)を「ぼろ布、新聞紙、厚紙などでくるんで」出すよう、北九州市は「新聞紙などに包んで」と書いています。こちらは出す工程の紙です。

割らずに出せるかどうかを、この記事で請け合うことはできません。確かめた分別辞典に割ってから出すという指示が見当たらなかった、というところまでです。最後は、お住まいの市のごみ担当の案内で確かめてください。

自分の市の分別辞典で引く順番

分別辞典は、「骨壺」→「陶磁器」→「壺」の順に引くと、区分にたどり着きやすくなります。

陶器以外の骨壺は引く語が変わります(陶器以外の見出しで説明)。

政令市20市と東京2区の、陶磁器の区分と出し方

陶磁器の区分の名前は、22自治体で10通り以上。

表の中で、上位の記事の手順がそのまま使えないのは次の3市です。

  • 相模原市: 2026年10月1日から分別が変わり、「一般ごみ」の名前が「燃やすしかないごみ(一般ごみ)」になりました(市の案内の最終更新日は令和8年9月30日。2026年10月1日に確認)。古い冊子やカレンダーとは名前が違います
  • 堺市: 不燃小物類は申込制です。決まった曜日に集積所へ出すのではありません
  • 京都市: 陶磁器は「燃やすごみ」の区分で、できる限り拠点回収を使うよう案内しています。ただし拠点回収の対象は「陶磁器製の食器」と書かれており、骨壺が対象に入るかは公式からは読めませんでした

骨壺の品目が無い市で「骨壺は陶磁器と同じ」と読み替えたのは、私の判断です。表はその前提で並べたもので、最後は市のごみ担当の案内で確かめてください。

割るかどうかは、大きさの上限と気持ちで決める

大きさの上限に収まるなら、確かめた公式の書き方の中に、割る理由は見つかりませんでした。割るかどうかは、袋に入るかと、気持ちの問題で決めることになります。

骨壺の大きさは、「寸」で呼ばれます。仏壇屋の滝田商店の寸法表では、7寸の骨壺が「高さ約24.5cm×胴径約21.2cm」でした(2026年10月1日)。同じページは「東日本では遺骨を全部納めるため7寸、西日本では一部拾骨するため6寸が一般的とされています。」と書いています。

7寸は東日本でよく使われる大きさですが、粉骨業者の料金表には「8寸以上」の区分もあり、7寸より大きい骨壺もあります。7寸の高さ約24.5cmなら、30cmを上限にしている大阪市・堺市・広島市・江東区・渋谷区の内側に入りますが、大きい骨壺は30cmを超えることがあります。高さ約24.5cmは仏具店1社の寸法表の値なので、手元の骨壺を蓋も含めて測ってから判断してください。

重さは、一次資料で確かめられませんでした。神戸市は燃えないごみを「単品5キログラム以下」としていますが、骨壺がこれに収まるかは未確認です。

それでも割りたい、という人もいると思います。名前が書かれている、家族がそのままの形を見たくない、ごみ置き場で骨壺だと分かるのが気になる。こうした理由で割るなら、公式が求めているのは割ったあとに紙などで包み、「キケン」と表示すること。割れたものの出し方として、多くの市が同じ書き方をしていました。

一方で、割るのが怖い、手を動かしたくない、という人もいるはずです。その場合は、業者に骨壺ごと引き取ってもらう道があります(業者の見出しで説明)。

陶器以外の骨壺は、公式では区分を確かめられませんでした

大理石・金属・ガラスの骨壺は、確かめた分別辞典では骨壺としての区分を確認できませんでした。

上位の記事には「大理石の骨壺は砕石扱いになり、一般ゴミ回収はできません」と書くものがありました。この点を自治体の公式で裏づけることは、今回はできていません。

素材が陶器でないと分かったら、分別辞典を引く語を変えてください。

  • 大理石などの石: 「石」「ブロック」など、石材の品目
  • 金属: 「金属」「金属製品」
  • ガラス: 「ガラス」「ガラス製品」

素材によって、出せる区分も、市が回収するかどうかも変わります。区分が見つからないときは、市のごみ担当に素材と大きさを伝えて問い合わせるのが近道です。

骨箱と覆いは、捨てる前に中の紙を確かめる

骨箱(骨壺を入れていた木の箱)は、品目を載せている市ではどこも燃やすごみ(可燃ごみ)でした。ただし捨てる前に、箱の中を見てください。

箱の中に、火葬許可証(埋葬許可証)が残っていないか。東京都瑞江葬儀所の利用の手引きには、火葬執行を明記した許可証を「紛失を防ぐために骨箱に納めてお返しいたします」とあります。納骨のときに使っていれば手元にはありませんが、散骨や手元供養で使わなかった許可証は、箱に入ったままのことがあります。箱ごと捨てると、その紙も一緒に失います。紙をなくした場合の取り直し方は火葬証明書はどこで、いくらで取れるかで調べています。

木箱の区分が読めた市は、次のとおりです。

市区分条件
横浜市燃やすごみ50cm以上のものは粗大ごみ
新潟市燃やすごみ指定袋に入らない場合は粗大ごみ
静岡市可燃ごみ記載なし
熊本市燃やすごみ記載なし
札幌市燃やせるごみ(「菓子などの空き箱(木製)」として)記載なし

骨箱を覆っていた布や風呂敷について、上位の記事は「小さく折りたたんで可燃ごみとして廃棄できます。」と書いていました。公式の分別辞典で、骨箱の覆いという品目は見つかりませんでした。布の区分で引いてください。

骨壺や骨箱には、戒名や俗名、没年が書かれていることがあります。名前が人目に触れるのが気になる場合は、出す前にその部分を外すか塗りつぶしておくと落ち着いて出せます。

ごみに出すことに抵抗があるときの選び方

骨壺をごみに出すことに気が進まないなら、業者や納骨先に引き取ってもらう方法があります。

骨壺をごみに出すと罰(ばち)が当たる、と言われることがあります。その当否は、この記事では扱いません。家族の中で気持ちがそろわないなら、無理にごみに出さず、引き取りを頼むのも一つの選び方です。

業者のページでは、骨壺の引き取りを「供養処分」と呼んでいることがあります。おこつ供養舎は「骨壷・骨箱のご供養処分」という名前で受け付けていました。中身としては、業者が骨壺を引き取って処分することを指しています。業者の中には、名前を消してから砕き、産業廃棄物処理業者に処分を頼むと説明しているところもありました。

業者や納骨先に頼む場合の料金

業者の公式料金は2通り。粉骨や散骨のついでなら無料、骨壺だけを頼むと有料です。

業者骨壺だけを頼む場合ほかのサービスと一緒の場合
おこつ供養舎2,200円(税込)無料
小さなお墓KOBO3,500円(税抜)記載なし
ご遺骨サポートこころ記載なし粉骨を頼んだ場合は無料
ゆたかに粉骨記載なし粉骨・散骨の利用者は無料
風あざみ記載なし粉骨サービスの利用者は無料

いずれも2026年10月1日に各社の公式ページで見た料金です。おこつ供養舎は「ゆうパックにて骨壺をお送りください」と案内していました。空の骨壺だけなら遺骨を送るときの決まりはかかりませんが、ゆうパックで送れるものの線引きは遺骨とゆうパックで調べています。

上位の記事に出ている相場は、公式料金とずれていました。上位の記事の1つは「骨壷を処分する際に必要となる費用の相場は、1000円程度と言われています。」と書き、同じ運営の商品ページの骨壺処分料は3,500円(税抜)でした。別の記事は「陶器製の骨壷:3,000円〜5,000円」と書いています。

業者だけでなく、納骨先が骨壺を引き取ることもあります。新座市の市営墓園の合葬式墓所は、使用料49,660円に「骨壺処分費」を含めていて、預かった骨壺は市が処分すると書いています。墓じまいや改葬の途中なら、納骨先や石材店に骨壺の扱いを聞いておくと、空の骨壺を家に持ち帰らずに済む場合があります。

散骨を業者に頼む予定なら、申し込みのときに骨壺と骨箱を引き取ってもらえるかを聞いておくと手間が省けます。散骨の申し込みで求められる書類の例はイオンの海洋散骨はいくらかで調べています。

出す前に確かめておくこと

空の骨壺と骨箱を手放す前に、次の点を順に確かめておくと迷わずに済みます。

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